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さようなら、大賀さん [プライベート]

 3日ほど前から、知人からのいきなり驚かすのもいけないから、というFAXで大賀典雄さんが危篤状態であることは知っていた。1月のミュンヘン会では肩の骨折で入院、ということで、奥さんのみどりさんだけが出席され、その後快方に向かっていると聞いていた。ところがインフルエンザにかかり容態が急変した、というのである。

 昨日、全く偶然にもミュンヘン会の連れ合いも含め、全員がうまく予定が合い、訃報に接してすぐ佃の大賀さんの53階にあるマンションにそろって駆けつけた。ご遺体は布団の上に横たえられ、安らかな寝顔のような様子でその前にはベートーヴェンの3番のスコアと指揮棒が置かれていた。ほどなく、指揮者の小沢さんと、ソニーの井出さんがあらわれ、文字通り大賀さんと親しかった人たちだけで大賀さんとの想い出をひとしきり語り合った。

 大賀さんについては多くの業績と逸話が語られるがやはり現在のCDというものの生みの親、というイメージが強いであろう。そしてソニーをあの大企業まで導いた立役者の一人でもあった。年に1回、50回以上も続いたミュンヘン会も大賀さんの強い熱意によるもので、最初は輪番制でそれぞれの家庭料理で集まりをもっていたけれど最近はレストランでやることが多くなった。こういう気の置けない友人の中での大賀さんはみどりさんともども本当にくつろいだ様子をみせていた。仕事の話はほとんど持ち出さなかったがいつか、新開発のクッキングヒーターを持参して、「コバちゃん、あんたこれいくらなら買う?」私は返答にとても困ったことを憶えている。それとなく、市場リサーチを試みたのであろう。いかにも大賀さんらしい。

 大賀さんは生前、「たとえ将来、何人かが欠けても最後の二人になるまでミュンヘン会は絶対やるのだ」と強くいっておられたから、その遺志に沿うためにも「大賀典雄追悼記年会」的性格を帯びつつミュンヘン会はそれこそ最後の二人になるまで続くことになろう。合掌。
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Akira

大賀さんを個人的に知っている訳ではありませんが、彼がソニーにとって大きな存在であったことを以前から承知しております。一般的には会社に貢献した人間として没後その業績をたたえられたりするものですが、この方は別格と感じています。彼がソニーに貢献した最大の業績は、技術的にもそうなのでしょうが、文化的側面からソニーを世界が尊敬に値するブランドに育て上げたことということを感じています。ドイツを始め欧州では、日本の家電ブランドは概ね安価で性能の良い商品という扱いであったことを承知していますが、ソニーだけは違ってドイツであればLOEWE社と肩を並べる位置づけにありました。
あと、私の知人にソニーと取り引きのあった会社の方から聞いた話ですが、展示会などでも他社と違って大賀さんだけは最後の見送り迄いらっしゃったとも聞いており、企業人として以上に人間的に優れた方だということも聞いております。
ご冥福をお祈り致します。
by Akira (2011-04-27 08:22) 

klaviermusik-koba

おっしゃる通りだと思います。企業として(政治家としてもですが)外国で尊敬を得るには、文化的な素養を持たないと、技術面だけではダメだと思います。その意味で大賀さんは音楽家としての素養を持ちながら技術者として、それと,時代の先を読むことのできる,日本人として希有な人であったと思います。

私の尊敬できる先輩として、亡くなられてみて初めてその有難さがわかった気がします。

南相木の山荘にも来ていただいたことがあって、何にもないあたりの風景を眺めまわして、あきれた顔をして「よくまあ,こんなところに家を建てる気になったなあ」といわれたのも憶えています。都会人だから虫が大嫌いな人なので、かなりな我慢を強いたのだ、と思っていますがいやな顔は決してされませんでした。
by klaviermusik-koba (2011-04-27 13:34) 

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