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カノープ [ピアノ音楽]

唯一副科のピアノを教えている男の子がいる。もう4年生になるので、少し曲らしいものを、と思ってドビュッシーの前奏曲第二集のなかから「カノープ」を課題として与えた。これは弾くこと自体難しくないし、作曲を勉強するなら、これも一つの立派な作曲の手本になりうる、と考えたからである。

私は実際この子にはピアノはほとんど教えない。もっぱら彼が書いてきた作品をみてコメントするのだが、規定の時間の30分ははるかにオーバーし、一時間くらいに及ぶこともザラ。カノープは不思議な雰囲気を持つ曲で、たった33小節しかない小品。彼はだいぶん曲が書けるようにはなってきたが、まだ、曲の構造がよくわかっていないようだ。一般には「カノープ」はぼんやり弾いたり、聞いたりしていると、雰囲気はあるが何かつかみどころのない曲、というイメージが強い。これをソナタ形式でできている、というつもりはないし、ドビュッシーもそう言われれば怒るに決まっている。しかし、実に自由に、即興的に書かれていながら、やはりソナタ形式の基本構造が最小限に煮詰まった形で背景になっていると私はみている。もとより、ハイドンやベートーヴェンで言う意味でのソナタ形式とはちょっと違う。私のソナタ形式説に賛成しない人でも、ある種の統一的構成力が存在することは否定できまい。

即興的に書かれたようでも、ヨーロッパ人の書く作品には無意識のうちに構成力が働いている。作品はどう書いてもいいが、形式を無視して書いても、このような統一体としての構造物であるべき、ということを彼に説明をしたかったのだ。でも、これも私は「ピアノのレッスン」をしたつもりであって、作曲を教えたつもりはない。



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内野佳子

初めまして。内野佳子と申します。「ベクテレフ」で検索していてklaviermusik-koba さまのブログの、ベクテレフ先生の記事に出会い、そこからいくつかの記事を、大変面白く拝読いたしました。
私はベクテレフ先生のレッスンを2回しか受けた事がありませんが、先生のピアノに魅了された一人です。今回来日されると知り、どうしても先生の演奏を聴きたくて、今月の2日に先生に連絡を取り、コンサートが可能かどうかお尋ねした所、6/1だけスケジュールが空いているとの事で、急遽お話がトントンと進み、コンサートが実現する運びとなりました。が、先生のピアノを聴きたい一心で企画したものの、生徒も師匠も無い私は、集客能力ゼロという事に気付くのでした。周りから無鉄砲と言われながら、この短い期間で出来るだけの事をするつもりで、知恵を絞り、走り回っている所です。
PC音痴の私がブログも作り、何とか多くの人に先生のピアノを聴いて貰いたいと願っています。
ブログ「ベクテレフ先生を囲む会」url  http://blog.livedoor.jp/bekhterev/

実に自分勝手なお願いとは判っていますが、
もし関西にklaviermusik-kobaさまのお知り合いで、
ベクテレフ先生のコンサートに御興味がありそうな方がいらっしゃれば、blog「ベクテレフ先生を囲む会」を拡散して頂けないでしょうか?
こんな自分勝手なコメントをする事をお許しくださいませ。

内野佳子

by 内野佳子 (2016-05-23 23:09) 

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